「特定技能の素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業ってなに?」
「どうやって取得するの?」
「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業を採用する際の注意点はなに?」
外国人人材の採用を考えた際、このような疑問が生まれるのではないでしょうか?
本記事ではわかりやすくまとめながら特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」とは何か?、取得方法、受け入れ条件、受け入れるメリット、注意点、採用までの流れなどをお伝えしていきますので外国人雇用に興味がある方はぜひ内容をご覧ください。
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執筆者:正木 圭
2018年に株式会社マックスに入社。
その後、2019年の特定技能制度の創設に伴い、登録支援機関業務を担当。
現在では特定技能に加え、様々な外国人材への職業紹介と支援に取り組んでいる。
執筆者:正木 圭
2018年に株式会社マックスに入社。
その後、2019年の特定技能制度の創設に伴い、登録支援機関業務を担当。
現在では特定技能だけでなく、様々な外国人材への職業紹介と支援に取り組んでいる。
運営会社:株式会社マックス
創業25年の外国人人材紹介・派遣会社。
人材派遣、特定技能受入れ支援(登録支援機関)、高度外国籍人材紹介、教育・研修など外国籍人材に関わるさまざまな事業を展開。
採用を検討している企業様に対しワンストップのサポートを提供している。
運営会社:株式会社マックス
創業25年の外国人人材紹介・派遣会社。
人材派遣、特定技能受入れ支援(登録支援機関)、高度外国籍人材紹介、教育・研修など外国籍人材に関わるさまざまな事業を展開。
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」は深刻な人材不足を改善するための在留資格
特定技能素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業は人材不足が深刻化している素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業の人手不足を改善するための在留資格です。
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業の現状
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業では人材不足が長期的に深刻化しています。
2020年時点で製造業全般の就業人数は過去20年間と比較すると約157万人も減少しているというデータがあります。
また、令和5年1月に厚生労働省が発表したデータによると、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業における有効求人倍率は「生産工程の職業」2.0倍、「機械整備・修理の職業」4.38倍、「金属材料製造等」3.32倍と全業種の倍率の平均の1.2倍を大きく上回る数値になっています。
特定技能素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業で外国人労働者を積極的に受け入れていくことは深刻な人材不足の改善に繋がる可能性を秘めています。
参考文献:2022年版 ものづくり白書|経済産業省・厚生労働省・文部科学省、令和5年1月分一般職業紹介状況(職業安定業務統計)|厚生労働省
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の3つの区分と業務内容
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」は今まで「素形材業」「産業機械業」「電気電子情報業」の3つの特定技能に分かれていましたが、現在は2022年8月30日の閣議決定によって1つの特定技能に統合されました。
3つの特定技能が1つに統合されたことで受け入れ人数の問題が改善され、1つの特定技能の在留資格の中で業務の区分を3つに分類したことで今までカバーできていなかった範囲までの業務が可能になりました。
それぞれの区分の特徴を解説していきます。
3つの区分 |
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①機械金属加工 ②電気電子機器組立て ③電金属表面処理 |
【区分①】機械金属加工
- 鋳造
- ダイカスト
- 金属プレス加工
- 工場板金
- 鍛造
- 塗装
- 電気機器組立て
- 機械検査
- 機械保全
- 工業包装
- 鉄工機械加工
- 仕上げ
- プラスチック成形溶接
【区分②】電気電子機器組立て
- 機械加工
- 仕上げ
- プラスチック成形
- 電気機器組立て
- 電子機器組立て
- プリント配線板製造
- 機械検査
- 機械保全
- 工業包装
【区分③】電金属表面処理
- めっき
- アルミニウム陽極酸化処理
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の取得方法
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を取得する方法は特定技能1号と2号で異なります。
それぞれの取得可能なルートと条件を以下の表にまとめていますのでご覧ください。
在留資格 | 取得ルート | 取得要件 |
特定技能1号 | 同分野の技能実習からの移行 | ・特定技能同分野の職種 ・作業の技能実習2号を良好に修了していること ※日本語試験は不要 |
違う分野の技能実習からの移行 | ・製造分野の特定技能測定試験合格 ・技能実習2号を良好に修了していること ※日本語試験は不要 | |
技能実習経験のない外国人が取得 | ・製造分野の特定技能測定試験合格 ・日本語検定N4もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)A2以上合格 | |
特定技能2号 | 特定技能1号からの移行 | ・製造分野の特定技能2号評価試験の合格 ・実務(監督・管理職2年目以上)の経験 |
他の在留資格からの移行 |
受け入れ企業が満たすべき4つの条件
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を受け入れる際に企業が満たすべき条件が4つあります。
受け入れ条件4つ |
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①企業が対象産業に該当していること ②製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に入会すること ③経済産業省や協議会に対し必要な協力を行うこと ④支援体制を整えること |
【条件①】企業が対象産業に該当していること
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を受け入れるには企業の業務が日本標準産業分類に該当していることが必要です。
企業の業務が日本標準産業分類に該当しているかの判断は、直近1年間で製造品出荷額などが発生しているかで判断されます。
該当する業種の一覧
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の日本標準産業分類に該当する業務は以下になります。
- 鋳型製造業(中子を含む)
- 鉄素形材製造業
- 非鉄金属素形材製造業
- 機械刃物製造業
- 作業工具製造業
- バルグ・コックを除く配管工事用附属品製造業
- 金属素形材製品製造業
- 溶融めっき業(表面処理鋼材製造業を除く)
- 電気めっき業(表面処理鋼材製造業を除く)
- 金属熱処理業
- その他の金属表面処理業(アルミニウム陽極酸化処理業に限る)
- ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業
- はん用機械器具製造業(消火器具・消火装置製造業を除く)
- 生産用機械器具製造業
- 業務用機械器具製造業(医療用機械器具・医療用品製造業及び武器製造業を除く)
- 電子部品・デバイス・電子回路製造業
- 電気機械器具製造業(内燃機関電装品製造業を除く)
- 情報通信機械器具製造業
- 工業用模型製造業
【条件②】製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に入会すること
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を受け入れるためには、経済産業省が設置している「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」への加入が必要です。
加入するタイミング
「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」には特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の在留資格を申請する前に加入する必要があります。
【条件③】経済産業省や協議会に対し必要な協力を行うこと
特定技能の外国人労働者を受け入れている企業には経済産業省や協議会が行う調査に協力する義務があります。
特定技能の制度に関する情報の発信や法的に守るべきこと、地域ごとの人材不足の把握をする為の調査を定期的に実施しています。
【条件④】支援体制を整えること
特定技能1号「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を受け入れる企業は外国人への支援体制の整備が必要です。
過去2年以内に特定技能1号の外国人雇用の実績がない場合は「登録支援機関」へ外国人支援サポート計画の作成依頼を行う必要があります。
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を受け入れる3つのメリット
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の外国人労働者を受け入れることには3つのメリットがあります。
3つのメリット |
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①即戦力人材の確保ができる ②長期的な人材不足の改善が期待できる ③幅広い業務が可能なので業務の効率性が高まる |
【メリット①】即戦力人材の確保ができる
特定技能1号「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を受け入れることは即戦力の人材を確保できるので業務効率を高めることが可能です。
特定技能1号の在留資格を取得するには「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」に関しての基礎的な知識と技術を有している必要がありますので雇ってから育成する必要がありません。
育成の手間と時間を節約できた分、他の業務への時間を作ることが可能になり作業効率が上り業績アップが可能になります。
【メリット②】長期的な人材不足の改善が期待できる
令和5年8月の閣議決定で特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」にも2号の在留資格が認められました。
特定技能1号では在留期間は5年という制限がありましたが、特定技能2号に移行することで在留期間は無制限になるので長期的な雇用が可能になります。
長期的な外国人雇用を考える場合は、外国人労働者の意向も聴きながら特定技能2号を取得するためのサポートを行っていくことをおすすめします。
【メリット③】幅広い業務が可能なので業務の効率性が高まる
3分野に分かれていた特定技能を1つに統合したことで、今まではそれぞれの分野の特定技能をもつ人材を雇用が必要だったものが、特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を取得している外国人労働者を雇用することで全ての分野の作業が可能になりました。
幅広い業務が可能なったことで業務の効率性が高まり、業績のアップが期待できます。
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を受け入れる3つの注意点
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の外国人労働者を受け入れることには3つの注意点があります。
3つの注意点 |
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①日本人と同等の賃金支払いが必要 ②メンタル面のケアが必要 ③派遣での雇用は禁止 |
【注意点①】日本人と同等の賃金支払いが必要
特定技能1号「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を雇うためには、日本人と同等の賃金の支払いが必要です。
外国人労働者を雇うことは、低賃金で長時間働いてもらえると勘違いしている方がいますが、外国人労働者にも日本の労働基準法が適応されます。
適切な労働時間、賃金水準などを満たす必要がありますのでご注意ください。
特に特定技能の保有者は専門性の高い知識と技術を持っていると国から認められた外国人労働者になりますので、賃金基準は日本人が同等の業務に従事する場合の報酬額と同等以上である必要があります。
【注意点②】メンタル面のケアが必要
特定技能に限らず、外国人労働者を雇う際にはメンタル面のケアにも注意が必要です。
異国の文化や習慣に触れながら働いていくことは考える以上に精神的なストレス大きいので、外国人労働者が相談しやすい環境を整えることが大切です。
生活の支援だけでなく、メンタル面のケアを行うことでストレスなく仕事に集中できる環境が整い、仕事の効率性を高めることが可能です。
長期的に日本で働いてもらうためにはメンタルのサポートは必要不可欠な要素になります。
【注意点③】派遣での雇用は禁止
特定技能1号「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を雇う際には、派遣などの「間接雇用契約」での雇用は認められていないので注意が必要です。
特定技能の外国人労働者を雇用するには企業と労働者が直接契約する「直接雇用契約」を結ぶ必要があります。
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」を採用するまでの流れ
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の外国人労働者を採用するまでの流れには7つのステップがあります。
それぞれのステップごとに必要なことと注意点をまとめていますので是非ご覧ください。
採用までの7ステップ |
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①協議会、連絡会への加入 ②海外人材派遣会社を使って人材を探し面接を行う ③外国人労働者と雇用契約を結ぶ ④事前ガイダンスを行う ⑤入国管理局へ必要書類の申請を行う ⑥在留資格の許可を受ける ⑦業務開始(外国人の来日) |
それぞれ詳しく解説していきます。
【ステップ①】協議会、連絡会への加入
協議会、連絡会への加入は特定技能外国人の雇用を行うために必須です。
最初に加盟できるかを確認する必要があります。
【ステップ②】海外人材派遣会社を使って人材を探し面接を行う
優秀な外国人労働者を探すために海外人材派遣の専門の会社に求人の依頼を行います。
多くの人材派遣会社がありますが、それぞれ強みが違うので「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の人材の派遣実績のある企業に依頼することをおすすめします。
面接を行う際には、差別的な表現と紛らわしい表現には注意が必要です。
【ステップ③】外国人労働者と雇用契約を結ぶ
採用する人材を見つけたら、法令に基づいた契約書を作成し、雇用契約を結んでいきます。
契約内容を外国人労働者に正確に伝えるために必要であれば母国語での説明を行える環境を整えることも大切です。
【ステップ④】事前ガイダンスを行う
事前ガイダンスはお互いの顔が見える環境で本人確認を行った上で実施する必要があります。書面で事前ガイダンスを済ませることは認められていません。
事前ガイダンスでの主な確認内容は下記になります。
- 業務内容、報酬額など労働条件の説明
- 日本で行うことができる活動内容の説明
- 入国、在留資格の変更などにあたって必要になる手続きの説明
【ステップ⑤】入国管理局へ必要書類の申請を行う
在留資格「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の許可を受けるには入国管理局への申請が必要です。
申請に必要な書類は以下の5つになります。
- 申請書
- 技能水準、日本語能力水準に関する書類
- 労働条件に関する書類
- 労働保険・社会保険・税に関する書類
- 特定技能1号の外国人の支援に関する書類
【ステップ⑥】在留資格の許可を受ける
特定技能の審査には1-3ヶ月ほどの時間が掛かることもあるので早めの申請を行いましょう。また、申請書類に不備があるとさらに時間が必要になるので作成不備がないかを丁寧に確認してから申請を行うことをおすすめします。
働いてほしい時期から逆算して申請の手続きを行いましょう。
【ステップ⑦】業務開始(外国人の来日)
特定技能素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業の在留資格を取得した段階で来日して業務開始することが可能です。
特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の外国人労働者を受け入れることで深刻な人材不足を改善することが可能です。
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